ホームちょっといい、旬の物語 > vol.6 農業は体力勝負!健康が一番




 55歳のとき、農業に専念することを決意した高橋さん。それまでは、俳優の菅原文太に憧れて、  トラック野郎(トラック運転手)一筋の人生を送っていたそうです。
 今では農業一筋。息子さんという若く頼もしい力も得て、農業に日々真正面から向き合っています。



 3月のはじめ、私は、この季節に販売されているものを調査するため、市内のとある直売所に行きました。 ホウレンソウ、アスパラ菜、シイタケ、いぶりがっこ等、横手産の農産物がぎっしり売場に並んでいました。 その中に、この時期あまり横手産として見かけることがない『春菊』を目にしました。 珍しさと好奇心から、さっそく、ラベルに記載されてある生産者を訪ねてみることにしました。 しかし、そこはご自宅であり畑のようなものが見当たらなかったため、後日連絡を取り、ハウスがある場所に伺う約束をしました。
 横手インターチェンジの近くに、そのハウスはありました。
 私は、この道沿いを結構通る機会があるのですが、ここに8棟ものハウスがあったことを今日の今日まで気がつきませんでした。 驚きと期待を胸に、農園内に入っていくと、広い園内で一人黙々と作業している男性がいました。高橋農園 取締役の高橋勝雄さんです。 高橋さんの案内で、ハウスを一棟一棟見学させていただきました。



 ハウス内は、一瞬にしてカメラのレンズが曇ってしまうほど温かく、外にまだ雪がたくさん降り積もっていることを忘れてしまうくらい そこは南国のようでした。「ここは、沖縄と一緒だ!ははは。」  高橋農園には全部で15棟のハウスがあり、ホウレンソウ、アスパラ菜、春菊を栽培しています。 ハウスのほか、露地栽培では、ナス、トウモロコシ、大根、アスパラ、トマトなど多品目を手がけています。
「オレはよ、米は作ってね。米はじぇんこ(お金)になるけど、一年一作だべ。オレは、今日採れたものを、今日お金にするほうがいい。だがら、一年に何回転もする、ホウレンソウや春菊を作ってるんだ。」
それに、冬の間も、オレはだまっていでぐねぇんだ。ハウスの雪寄せなどの維持管理は大変だけど、 毎日働けることの喜び、お金になることの喜び、そして、この体が健康なことに感謝しているんだ。」 と元気な笑顔で語ってくれました。「一年が365日では短かすぎる。日々の時間を余すことなく、有効に使いたい。」 と根っからの働き者の高橋さん。その熱い思いは、常に研究心となって、土壌改良、土づくり、良いものづくりへと注がれます。



 高橋さんは、よこて発酵文化研究所農業生産部会に所属しています。同研究所で、有用微生物である『トリコデルマ菌』 を活用した土づくりへの取組みを進めたことをきっかけに、高橋さんも『トリコデルマ菌』に出会いました。 はじめは何のことだかさっぱりわからず、部会で配布された資料を見て勉強したものの、実際どのようにして使用するのかも手探りの状態でした。 そこで、高橋さんは思い立って、この菌を開発・販売している株式会社 秋田今野商店に一人出向きました。 今野社長から丁寧に教えていただき、そして励ましていただいたことで、より一層土づくりに力が入ったそうです。
 『トリコデルマ菌』は土壌に常住する有用微生物であり、施用とその後の管理が好適であれば、土壌中に住みついて圃場の無病地化に 役立つものです。つまり、なるべく農薬や消毒を使わず、病気や虫害に強い作物を育てることにつながってきます。
 まだ使い始めて間もないため、その有効性や可能性は未知数。日々、土と向き合い、作物と向き合うことで、その少しの変化に気づくといいます。 以前はどうしても作物が生えない部分がところどころにあったのが、トリコデルマ菌を使用してから、まんべんなく生育するようになったそうです。
 今春からは、「春菊一本で行く!」と決めた高橋さん。15棟のハウスを勝雄さん、奥様、息子さんの、家族全員の力を結集して生産にあたります。 収穫期にまた伺いますと言うと、「なぁんと、その時期だば、あんまり忙しくって喋ってる暇もねぇ。今の時期だがらこうしていろいろ喋れるなだ。」
 4月には種蒔きがはじまり、それからまた約1年、種蒔き、収穫を繰り返します。夏場のハウスの中は灼熱地獄。体力がなければやっていけません。 「健康だけはお金で買えない。だから、こうして健康でいられることに感謝してこれからもがんばるべ!」
 70歳とは思えないほど若々しく、やる気に満ち溢れている高橋さんに、横手の農業の元気な姿を見せていただきました。



 
横手市「食と農」からのまちづくりプロジェクト
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