ホームちょっといい、旬の物語 > vol.2 家族みんなで丹精込めて


「麹」を中心とした発酵食文化が薫るまち横手市。
今回の「ちょっといい、旬の物語」は、十文字植田地区で麹と味噌づくりを営む高橋正弘さんにお話を聞きました。



実家の家業は「こうじや」。進んだ大学では、もちろん?発酵化学の研究に燃えた高橋さん。
大学を卒業後にすぐに実家に戻り、こうじやの8代目として働き始めてから早28年になるとのことです。
麹の製造から始まる天然醸造の味噌や各種漬物など、こだわりの商品を携えて各地で行なわれる物産展にも積極的に参加されています。



「大学では発酵化学の理論をみっちり学んできた。もちろん実験や実習もしましたけど。そして実家に戻り、父親と一緒の仕事から始めたが、やっぱり技術は父親からみっちり学んだな。」と高橋さんは思い出すように語ってくれました。

平成元年から秋田県製麹研究会にも加盟し現在は副会長も務めます。研究会では基礎から勉強されたそうです。そして平成7年に見事、みそ製造作業一級技能検定にも合格。額縁に入れてかざってある認定書も見せてくださいました。同会では、他県の麹製造に関わる方々とも交流されているそうで、「日々勉強だし、日々発見だな」と高橋さん。




麹について、教えてくれませんか?というと、高橋さんはやさしく教えてくださいました。ここには書ききれないほどの知識を。。。「麹は、もちろん味噌、醤油、甘酒、漬物、あとは蒸米や塩と混ぜた三五八で魚を漬けたり、ハタハタ寿司やサケの寿司なども美味しいね。」うん。想像すると確かに美味しいものばかり。麹の酵素でたんぱく質が分解されるといわゆる天然の旨み成分に変化します。そして、デンプンの糖分もあるので、甘味も出る。栄養価が高まるという効果もあるそうです。「健康的な食事のことをマクロビオテックって言われているでしょ?その基礎となっているのも発酵食品なんだよ。それがここの地域には自然と根付いているということなんだよ。」と高橋さん。

「もともと、このへん横手盆地は穀倉地帯だし、盆地で冷害の影響も少なかったので、飢饉ということがまず無かったから、米は豊富。大昔は家で米とか味噌をたくさん持っていることがステータスで、贅沢なことだったという言い伝えもあるよ。」と教えてくれました。味噌には仙台味噌や八丁味噌などというふうに地域性があって、面白いですね?と話すと「横手地方の味噌には麹がふんだんに使われているんだよ。他の2倍以上は使っているな。だから甘味も旨みも引き立つ味噌なんだ。」横手の味噌にも、しっかり地域性があることが分かりますね。




「製造の作業は暑いか重いかだな。」

仕事の大変さを伺うとこう答えてくれました。麹を発酵させる「むろ」は30℃を超えるそうです。早朝からムロに入ることも。さらに、麹の原料である米も、味噌の原料である大豆も30キロ袋入り。「袋を上げ下げするのも大変なんだよ。忙しいシーズンは10キロも痩せる。やってみる?袋の上げ下げ100回。」ちょっと、待ってください(笑)。

じゃあ、嬉しいこととか、楽しいこととかは?とすかさず聞くと、「各地の物産展に行くと、お客様と接することができるよね。納得して購入してくれるお客様がいて、そして後から電話でおいしかったと注文をくださる方もいるし。それが楽しみでもあり励みにもなるよ。」と高橋さん。物産展には奥様とともに多方面へ出向いていらっしゃるそうです。




製造作業は高橋さん中心?「製造作業は家族全員でやることもあるよ。」とのことです。なんと80歳を超えていらっしゃる高橋さんのお父さんとお母さんも現役の職人なんだそうです。お父さんもお母さんも元気そのもの。雪国横手との関係か、みその委託製造のシーズンは、4月〜6月くらいまでなんだそうです。「その頃になると、寝るひまも無いくらい忙しいよ。本当に家族ぐるみで働いているよ。」とのこと。家族で仕事をすること。高橋さんを見てちょっと想像してみると、すごく素敵なことだと感じました。


これからも、物産展などを通じて、多くのお客様と出会わせてもらいたい。やっぱり自分の作ったモノをお客様が選んでくれる瞬間がたまらなく嬉しい。お客様とのふれあいの機会に積極的出て行きたいです。と今後の目標を教えてくれました。また、3月29日(土)〜30日(日)には、秋田ふるさと村において未来に向けた豊かな発酵文化の継承と発展を目的とした「全国発酵食品サミット@n横手」が開催されます。もちろん高橋さんもよこて発酵文化研究所の会員でもあります。高橋さんも本当に当日を楽しみにしていらっしゃるようでした。高橋さんはこれからも学び、探求し、家族とともに発酵のまち横手から発酵食品の旨味を発信し続けます。



 
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