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第一回(前編)

市長
こんにちは。
 何年も前から存じ上げておりまして、いつか故郷にお力を貸していただきたいなと思ってきっかけを探していたんです。やっとお会いすることができました。楽しみにしてまいりました。
 今日は「食と農からのまちづくり」ということで、食べ物の話題を中心にしたいと思いますが、現在子育て真っ最中とお聞きしました。食に関してはいろいろ気をお使いになるでしょう?


雅姫さん
 今年の4月で、娘は中学生になりました。この半年間で目に見えるほど、娘の成長に変化がありました。朝からしっかり食べるし、量もだいぶ増えました。それと同時に身長もグンと伸びましたよ。
 子供を取り巻く食の環境ってすごく変わりましたよね。例えば水。私が横手にいる高校生の頃までは、水道水を飲むのがあたりまえで、ミネラルウォーターという言葉にピンときませんでした。それの容器、ペットボトルもそうです。最初はボトルに口をつけて飲むことに、ものすごく行儀がわるく感じて抵抗がありました。今だから違和感もなく便利にいつでも水分が取れるようになりましたが。
 ペットボトルに象徴されるように、おなかが空いたら場所はかまわずに「歩きながら」とか「電車内で口に入れる」というスタイルが若者の間で定着してしまっています。私の小さいころとはずいぶん変わったなと感じます。そして、それが子供達のことを思うとちょっと心配だなとも思います。中学校になると自分達で行動する年齢になってきますから。

市長
 私も経験がありますが、10代前半になると親として手のかけ方がこれまでと違ってきますが、子供が自立に向かう時期に、親がこうあってほしいという環境と実際の環境にはギャップがあることがほとんどでした。東京という環境の中で食に関して注意していることなどありますか?


雅姫さん
 季節のものを取り入れたりしてあげることとか、旬を教えてあげることだとかは自分がしてあげないと誰もやってくれない状況にあるので、できる限り食べ物の季節感を大事にするようにしています。彼女の「食」に関する人生にとっては本当に責任重大だと感じています(笑)。
 例えば七草がゆだと買ってきて揃えて食べさせてあげます。冬至だったらカボチャを煮ようかなとか。けれど、横手だったらこういう季節の取り入れが当たり前なことがすごいと思うんです。

市長
 そういう意味では横手で生まれ育ってきたことが、今の食生活に影響を与えているということになりますでしょうか?

雅姫さん
 やはり外食よりは、豪華ではないけれど家で旬のものを口に入れることができたと思います。常に漬け物も食卓にありましたし。(笑)

市長
漬け物ですか。秋田を代表する食文化ですからね。どのようなところに影響を与えられましたか?大好きだったとか?


雅姫さん
  東京で生活していると考えられないんですけど、必ずお茶を飲むときには漬け物がでますよね。「お茶飲み文化」って言うんでしょうか(笑)。
  お母さんにお友達が訪ねてきて、お茶うけにせんべいとか甘いお菓子のほかに必ず漬け物があって、お茶をいただく。甘いものを食べて漬け物を食べてお茶を飲む。懐かしいですね。


 ご近所さんが寄り合っての「お茶っこ飲み」文化

市長
 横手の代表的な普段着の食文化ですね。よそ行きではなく、普段着が地域にとってはとても大事な役割と考えています。

雅姫さん
 食卓には必ず漬け物が欲しいなと思っていますので、それはやっぱり秋田の影響かなと思います。 実家から送られてくる漬け物はどれも美味しいです。いぶりがっこは外せませんよね。

市長
  漬け物は野菜、発酵。どちらも横手の食を支える材料ですから雅姫さんが漬け物ファンであることは心強いです。 野菜や漬け物も含めて、横手の食と農の元となっている山とか川とか田んぼであるとか、故郷の風景は雅姫さんにとって、どんな存在ですか?

雅姫さん
  今は、一言でいって「いやし」でしょうか。一種のアロマテラピーのような。自分にとってのよりどころといいますか。




市長
 雅姫さんは、モデルさんとして活躍され、デザインも手がけ、暮らしの提案もなさっている点では、「ライフスタイリスト」であると私は思っているんですが、ライフスタイリストという観点から横手のライフスタイル、特に農業の暮らしを見たときにどのような印象をお持ちでしょうか?

雅姫さん
 この間、お誕生日に5合ぐらいの小袋が入ったお米セットをいただいたんです。一つ一つが「○○さんちのコシヒカリ、2年連続金賞」のような感じのお米がいくつか入っているものなんですけど、みんなが来たときに食べ比べをしてみたんですよ。「これはモチモチしてて甘いね」などと言いながら。完食してしまいました。(笑)
  秋田にいたときは、お米は当たり前過ぎて普通に食べるだけの存在だったんですが、秋田を離れてみると「○○さんのリンゴ」とか、「○○さんのお米」とかがピッとひっかかるんです。食の安全、安心の面 ですとか、作り手の顔が見えているところですか、安心して買うことができます。しかも「美味しそうっ!」っていう感覚で。



 横手のお米は「うめど〜!」(美味しいよ!)

市長
 「顔の見える」ことの価値ですね。確かに生産者は顔が見えるどころか当人ですので、そういう意味では、「鏡に自分の顔を映してみる」作業は必要かもしれませんね。「自分消費者にどういう顔を見せているのだろう」という。


雅姫さん
  首都圏で暮らしている人は自然や土と触れあう暮らしに戻りたい気持ちやあこがれがありますので、今まさにそういう暮らしを発信してあげれば面白いと思います。
  例えば「秋田の○○おばあちゃんが作ったリンゴケーキ」っていうだけでも、アンテナに引っかかる人はものすごくたくさんいると思います

 

市長
 「エコ」や「自然」という観点からはむしろ「田舎」「農業」は最先端ということになりますかね?

雅姫さん
 ほんと、そうだと思いますよ。でも、おばあちゃんたちだけだとどうやっていいかわからないと思うので、誰かがきっかけを与えてあげないとね。その役目は、市長さん!(笑)。
  私がお仕事させていただいている雑誌でも、そういうモノを見つけて、実際に現地に行って取材をして、なるほど!と納得させられることが多いです。





市長
 農産品でもお土産でも、売れるためは、物語ってあるじゃないですか。作り手のこだわりの物語ですとか、商品のストーリーは欠かせないものだと思います。ここをきちっとしている農産品や商品は強いですよね。あとは雅姫さんが美味しさの裏づけとして最後に商品の肩を押してくれるとお客さんは「じゃあ買ってみようか」となると思います。この2つを組み合わせるようなプロジェクトを横手の商品でできたら、全国や世界に発信できるきっかけとなるんではないかなと思います。

雅姫さん
 秋田は土地がたくさんあるし花も草もたくさんあるので、お客さんを量 でこなす入れ物でなく、自然と和が融合して、あったかいおもてなしができるお母さんがいるような場所があれば面白いですよね。
  材料は揃っていますから、お店ではなくてもそういうライフスタイルはすぐに実現できそうですよね。首都圏で暮らす人にとってはすごくうらやましいことだと思いますよ 。

 

(つづきは後編で!)




 
横手市「食と農」からのまちづくりプロジェクト
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